ナショナリズムとは何だったのか

対象年度: 2003
授業科目種別: 全学教育科目
対象学部: 文学部, 教育学部, 法学部, 経済学部, 理学部, 医学部, 歯学部, 薬学部, 工学部, 農学部, 獣医学部, 水産学部
他学部履修等の可否:
担当教官: 福田 宏 (ふくだ ひろし/ FUKUDA Hiroshi)(大学院法学研究科・法学部 政治学講座) 
授業科目名(和文): 一般教育演習
講義題目名(和文): ナショナリズムとは何だったのか
キーワード: ナショナリズム 政治学
種類: 演習
単位数: 2
対象学年: 1年次
開講時期: 2学期
履修区分: 選択
授業の目標: ナショナリズムは比較的新しい現象であり、「日本人」や「中国人」といった国民意識もまた、近代化の過程において初めて成立したと言われている。また、論者によっては、ナショナリズムはすでに終わった現象であり、現在においては何の意味も持たないと主張する者もいる。だが、本当にそうだろうか? この演習では、参加者自身の問題関心とも絡めながら、ナショナリズムという現象についてじっくりと考えていきたい。
到達目標:  ナショナリズムの探究を通して、世界各地の歴史や政治について理解を深める。また、史料の探索方法、文献の読み方、プレゼンテーションの仕方、といった基本的技術の習得にも力を入れたい。
授業計画: (1) 各参加者に関心のある国や地域を選択してもらい、その地域についてリサーチし、報告する。(なお、選択する地域については世界中のどこでも可)
(2) 事前に指定したコメンテーターより、報告者の報告について論点を提示してもらう。
(3) その後、全員による討論を行う。
評価の基準と方法: 演習時の参加度合いと期末レポート(4000字程度)により評価。
備考:  
教科書: 特になし
講義指定図書: 小熊英二、上野陽子 『<癒し>のナショナリズム ―― 草の根保守運動の実証研究』 慶應義塾大学出版会、2003年。
姜尚中、森巣博 『ナショナリズムの克服』 集英社新書、2002年。
香山リカ 『ぷちナショナリズム症候群』 中公新書ラクレ、2002年。
実際に用いた図書: ・10/8: 小熊英二、上野陽子『〈癒し〉のナショナリズム ―― 草の根保守運動の実証研究』慶応大学出版会、2003年。
・10/15: 広瀬隆『アメリカの保守本流』集英社新書、2003年。
・10/22: 久江雅彦『9・11と日本外交』講談社現代新書、2002年。
・10/29: 広河隆一『パレスチナ』岩波新書、2002年。
・11/5: 藤原帰一『戦争を記憶する ―― 広島・ホロコーストと現在』講談社現代新書、2001年。
・11/12: 香山リカ『ぷちナショナリズム症候群 ―― 若者たちのニッポン主義』 中公新書ラクレ、2002年。
・11/19: 近藤孝弘『国際歴史教科書対話 ―― ヨーロッパにおける「過去」の再編』中公新書、1998年。
・11/26: 矢吹晋『文化大革命』講談社現代新書、1989年。
・12/10: フランツィスカ・フンツエーダー著、池田昭、浅野洋訳『ネオナチと極右運動 ―― ドイツからの報告』三一新書、1995年。etc.
・12/17: 栄沢幸二『「大東亜共栄圏」の思想』講談社現代新書、1995年。
・1/14: 千田善『ユーゴ紛争 ―― 多民族・モザイク国家の悲劇』講談社現代新書、1993年。
・1/21: 植村秀樹『自衛隊は誰のものか』講談社現代新書、2002年。
・1/28: 坂本多加雄『歴史教育を考える ―― 日本人は歴史を取り戻せるか』PHP新書、1998年。